作品詳細
DETAIL内海の輪
ストーリー
STORY
西田美奈子29歳。いまは四国松山の呉服の老舗伊予屋の当主・慶太郎の妻である。彼女は3ヵ月に1回上京した。半分は商用であり、半分は大学で考古学を専攻し、まもなく助教授の椅子につく江村宗三とのひそかな情事のためであった。宗三は妻の父が考古学の権威で次期学長に擬せられるという人物なので、労せずにエリートコースに乗っていた。彼は五年前の鮮烈な記憶が忘れられなかった。そのころ、美奈子は宗三の長兄・寿夫の新妻だった。しかし、寿夫は水商売の女と出来ていて駈け落ち同然に、静岡きっての菓子屋の暖簾を捨てた。二人が同棲している新潟へ迎えに行く美奈子の護衛役に、まだ学生だった宗三が選ばれた。その時、愛情のない夫との訣別を決意していた美奈子は水上温泉で宗三に躰を与えた。彼女は童貞のおののきを示す宗三に、江村家への報復をこめたのかも知れない。それから三年、銀座で再会した二人は自然に求めあうように愛欲を燃え上がらせた。その時から美奈子は3ヵ月に1度上京しすでに男性機能を失っている夫の代わりに宗三に抱かれるようになった。二人だけの秘密はひっそりと保たれたが、美奈子も宗三もやがてくる破綻を恐れていた。だから二人は愛欲の中にすべてを忘れようとした。やがて宗三の出張で、逢瀬は1ヵ月に短縮された。二人はしめし合わせて、一月の瀬戸内海に遊んだ。しかし、二人は伊丹空港で宗三と同窓の新聞記者長谷にバッタリ出会ってしまう・・・。