1975(昭和50年)/4/26公開 90分
配給:松竹 製作:松竹 / サンミュージック
ポエム・エッセイ・小説を集めた落合恵子の同名の原作を映画化したもので、少女から娘へと移り変わる多感な乙女を描いた青春映画。脚本は山根成之と南部英夫、落合恵子による共同執筆、監督は広瀬襄、撮影を竹村博がそれぞれ担当している。
梅村乃里子は、バドミントン部に籍を置く17歳の高校生。桜の花が満開のある日、乃里子ら仲良し五人組は、野立ての席で足がシビれて不作法な格好をしている時、その場に居合せたひげ面の男が写真に撮り、その写真が週刊誌のグラビアに掲載されてしまった。お嫁の貰い手がなくなる!と五人はカンカン。数日後、新しく国語の教師・福島清彦が赴任して来た。スーツを着こなし、端正な男らしいその福島こそ、あのひげ面の男だった。昌子、由美、泉、光江の4人はポーッとしたが、乃里子だけは、なんとしても謝罪させないと気がすまない。乃里子の母、千恵は小料理屋「梅村」の女王人。夫の山下剛と別れているのだが、乃里子は千恵には内緒で時々会っている。乃里子のバドミントン部は毎年最下位なので、大学時代、バドミントンの名選手だった福島に、グラビア事件の償いとしてコーチを頼んだ。やがて福島の厳しい練習の中で、乃里子は彼の人間的な魅力に少しずつ惹かれていった。ある日、妹のひとみと二人暮しの福島は、乃里子の家へ食事に招待された。福島は10年前に死んだフィアンセに似ている千恵に好意以上の気持を抱いている。その夜、福島は千恵の心暖まるもてなしを受け、結婚を決意した。数日後、福島は、乃里子に母との結婚の正直な気持を告白した。最初は猛反対だった乃里子だったが、彼との一対一の、苦しいバドミントンの試合の中で、気持ちも変わっていった。淡い愛は消えたけど、また明日がある。ひとまわり大きくなった乃里子は、明日に向かって、思い切りラケットを握るのだった。