1977(昭和52年)/5/21公開 91分
配給:松竹 製作:松竹 / 三協映画
美しく可憐な盲目の娘・道代と過去に暗い心の傷を持つ男・花松一郎の哀しくもむくわれぬ愛を、サスペンスをまじえて描いたストーリー。脚本は菊島隆三、監督は野村孝、撮影を前田米造がそれぞれ担当している。
ある中小企業に勤める夏村道代は、社長とともに給料支払いのための銀行に金をおろしに行った際、不運にも、おろしたばかりの金を強盗に奪われた。その時、社長はハンマーで一撃され即死、道代も一味の車に跳ね飛ばされ、一命はとりとめたものの頭部を強打し、失明してしまった。そのため、恋人も失い自殺を決意した道代を救ったのが、花松一郎であった。彼には、道代と同じ盲目の妹がいた。しかし、妹は自殺をしてしまい今はいない。彼の胸にはどうしても道代に光をとりもどしてやりたいという気持ちが日毎にふくらんでいった。花松は、道代に亡き妹の白い杖を贈った。花松は、道代に手術を受けさせることを決心し、費用も自分がだしてやることにする。花松は川原眼科部長を訪ね、道代の失明の原因を知り愕然とする。というのは、道代を跳飛ばしたのは花村自身であったのだ。花村は妹の手術費を作るためにあの強盗をやったのであった。道代の瞼の奥には犯人の顔が焼きついているにちがいない、手術が成功すれば花松も破滅し、二人の愛も終わるだろう。花松は悩んだ。迷宮入り近いこの事件を追っている宗方刑事と吉岡刑事は、道代に近づいた花松を疑いだす。しかし、別の危機が花松と道代をねらっていた。事件の主犯・岩木が花松の行動に気づき、それを阻止するため花松と道代をおびき出し、睡眠薬を使ってねむらせ、ガス心中を装い二人を殺害しようとした。しかし、近所の主婦が噴出するガスの臭いに気づき、警察に通報し、花松と道代は命をとり止めた。道代はこの事件のあと、手術を受け無事成功するが・・・。