1978(昭和53年)/4/29公開 86分
配給:松竹 製作:松竹 / おおもりプロ
海賊放送を続ける心優しい若者と、したたかな行動派で、自動車泥捧を続ける二人の老人との交流を描く、城戸賞を受賞した大森一樹脚本の映画化。脚本・監督は大森一樹、撮影を阪本善尚がそれぞれ担当している。
通信用の機械設備が整った小型トレーラーに、通称、メカ、流、ファイトを乗せ、ダンプの運転する海賊放送車が軽快に走る。この車をアパートの一室から援護するのは、機械工業のプロ・羽島であった。しかし、開局以来7年を経たこの非合法放送も、生家の漁業を手伝うため、和歌山へ帰郷したメカの離脱で、難局に処する。残されたダンプ達のもとへ、メカから和歌山へ遊びに来るようにと、無線連絡が入った。ダンプ達は和歌山行きを決め、その道中で放送をしようと思い立つ。その頃、東京から家出をしてきたおじいさん、鈴木鈴之助と、モーテルの従業員であったおばあさん、田中もとが、自動車泥棒をして、ドライブとしゃれこんでいた。ところが、盗んだ車の後部座席に男の子が寝ていたため、誘拐事件と勘違いされ、二人は警察に追われ始める。道路沿いで手をふる鈴之介のために車を止めたダンプは、もとと男の子を運転台に乗せた後、まんまと車を盗まれてしまう。車内の放送室にいた流とファイトはいつのまにかダンプと入れ替わった老人達に驚きながらも、老人達が誘拐犯人と気づくと、インタビューを放送し始める。翌朝ファイトらが目を覚ますと、老人達は姿を消し、子供だけが運転台で眠っていた・・・。