2004(平成16年)/3/13公開 100分 カラー ヴィスタ 映倫番号:116815
配給:松竹 製作:松竹 / テレビ東京 / 衛星劇場 / 日販
一匹の犬の一生が、こんなにも胸を打つのはなぜだろう。一見ごく普通のラブラドール・レトリーバーの歩く姿に、立ち止まって見上げるその瞳に、涙が止まらないのはどうしてだろう。映画『クイール』が私たちの心を深く揺さぶるのは、立派な盲導犬が人を助ける物語だからというだけではない。様々な人々と一匹の犬との出会いと別れの中で、人から犬へ、犬から人へと手渡され、じっくりと時間をかけてはぐくまれていった、たくさんの愛が、観る者を温かく包みこむ。
母親が家庭犬のクイールは、本来ならば盲導犬になれる血統ではなかった。しかし、そんなクイールを”運命の子”と信じて盲導犬にしようするクイールの周囲にいる人達の愛情に育てられ盲導犬になったクイールはパートナーとなる男性、渡辺とめぐり逢う。最初は全く息の合わない一人と一匹だったが、渡辺は物言わぬクイールのそっと寄り添うような思いやりを感じて、少しずつ心を開いていく。やがて渡辺とクイールは、かけがえのないパートナーになって、歩くことの喜び、生きることの楽しさをかみしめていた。しかし、ある日突然、予想もしない別れがやってきた・・・・・・。