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隠し剣　鬼の爪

2004（平成16年）/10/30公開　131分　カラー　ヴィスタ　映倫番号：116895　
配給：松竹　製作：松竹 / 日本テレビ / 住友商事 / 博報堂DYメディアパートナーズ / 日販 / 衛星劇場

山田洋次監督が『たそがれ清兵衛』に続き、再び藤沢周平作品に挑戦。剣豪小説でありながら既存のものとは全く違う世界を作り上げた「隠し剣」シリーズの中の「隠し剣鬼の爪」と、密やかな男女の愛を描いた「雪明かり」。二つの短編に流れる、藤沢周平の精神を守り、大胆に脚本化した作品『隠し剣　鬼の爪』は、時代が激しく移り変わろうとしていた幕末の庄内”海坂藩”を舞台に、”鬼の爪”という秘剣を伝授され、予期せぬ激烈な運命に巻き込まれていく下級武士・片桐宗蔵の武士としての生き様と、奉公にきた娘きえとの身分を越えたせつなく優しい愛を描いた作品である。

ストーリー

ある日、藩を揺るがす大事件が起きる。海坂藩江戸屋敷で謀反が発覚したのだ。幕府表に知られるのを恐れた藩は、関係者をこっそり処分、首謀者の一人である狭間弥市郎に関しては、山奥の座敷牢に閉じ込める”郷入り”という極刑に処したのだ。宗蔵と狭間とは、かつて藩の剣術指南役だった戸田寛斎の門下生で親しい友人だった。戸田は腕が上だった狭間ではなく、宗蔵になぜか秘剣”鬼の爪”を伝授した。宗蔵は家老の堀将監に呼び出され、狭間と通じていたのではと疑われ、門下生で狭間と親しかった者の名前を問い詰められる。しかし、宗蔵は密告は侍にあるまじき行いだと固く口を閉ざすのだった。やがて、弥市郎が牢を破って脱走、人質を盾にして百姓家に立てこもる。宗蔵は大目付の尾形から弥市郎を斬るように命じられる。宗蔵は、間近に見え隠れする新しい世の中と、侍の世界の間で、己の運命を懸命に見定めようとしていた・・・・・・。