2006(平成18年)/3/18公開 108分 カラー ヴィスタ
配給:松竹 製作:松竹 / テレビ東京 / 三井物産 / 日販 / S・D・P / 衛星劇場 / コア / 共同テレビ / Yahoo! JAPAN
春の北海道で、東京から来た少年は母親とはぐれた一匹の子ぎつねに出会った。やがて、森の動物診療所の獣医に見守られながら、少年は心をこめて子ぎつねを育てる。しかし、互いがかけがえのない存在になった時、別れは突然にやって来た・・・・・・。ひとりぼっちの子ぎつねと少年の触れ合いを通して、命の大切さを描く最高の感動作。原作は写真家・エッセイストの竹田津実、監督には数多くのヒットドラマを手掛ける河野圭太。
太一が来るまでは、中学生になる娘の美鈴と二人暮しだった診療所の獣医・矢島は太一の母・律子の恋人だった。矢島と結婚するつもりでいる律子が、ひと足先に8歳の太一を未来の父親に委ねたのだ。ある日、太一は、ひとりぼっちの子ぎつねにであった。待ち望んだ春の陽射しを浴びて緑に輝く北海道の大地で・・・・・・、太一は、そんな寂しげな子ぎつねに自分を重ねたのだ。その子ぎつねの異変に最初に気付いたのは矢島だった。子ぎつねは、矢島が目の前で手をひらひらさせても、音を立てても何の反応も示さないのだ。「まいったな・・・・・・。まるでヘレン・ケラーだ」目と耳が不自由な野生動物の行く末を心配する矢島のそんな一言から、太一は子ぎつねに「ヘレン」と名づけ、一生懸命に育てていく。しかし、咲き誇る黄色いタンポポが白い綿毛に変わる春の終わりにあまりにも早い別れが訪れた・・・・・・。