2006(平成18年)/5/13公開 92分 カラー シネマスコープ
配給:松竹 製作:「陽気なギャングが地球を回す」製作委員会
直木賞候補作「魔王」などで、今や押しも押されもせぬ人気作家の伊坂幸太郎が2003年に発表した人気作品の映画化。伊坂作品の最大の魅力ともいえるスピード感を損なわぬ演出を見せたのは、前田哲監督。伊丹十三、阪本順治、周防正行ら名監督の下で助監督として鍛えた演出力を発揮している。また、本作を魅力的なものにしているのは、なんといっても豪華な主演者たち。立っているだけで様になる粋で痛快なギャングたちを誕生させた。中でも注目なのがスリの天才に扮し、映画デビューを飾った松田翔太。故・松田優作の次男であり、兄はすでに数々の日本映画に出演している松田龍平。佐藤浩市らベテランを前に全く動じることなく、飄々とした演技を披露しており、この先が非常に楽しみだ。
かもめ銀行。電話を受けたひとりの銀行員・朝倉が「爆弾が仕掛けられています。早く逃げて!」と叫んだ。一目散に銀行から居なくなる人々。残ったのは朝倉の他、居合わせた男女4人。その内のひとり成瀬が、銀行の金を狙った朝倉の狂言を見破った。実はこの4人。それぞれにちょっと変わった特技を持っていた。嘘を見抜く成瀬、スリの天才・久遠、演説のエキスパート・響野、完璧な体内時計を持つ雪子。万事休すの朝倉を前に、彼らは思った「自分たちならもっと上手くやれる!」。