2007(平成19年)/10/27公開 カラー
配給:松竹
原作は、「週間宝石」で連載(85年~90年)された業田良家の漫画である。この作品は4コマ漫画でありながら、哲学的な深い人生観を描き出した作品として「日本一泣ける4コマ漫画」と大絶賛された伝説の作品だ。健気な妻・幸江と無口な夫・イサオとの一風変わった愛や生活の様子を面白おかしく描き、必殺のオチはイサオのちゃぶ台返し・・・というお決まりのパターンを重ねていきながら、やがて物語は大河小説の熊をなし、一発逆転大ホームランを放つ。
大阪・通天閣のふもと。ひなびたアパート「パンション飛田」では、今日もいつもの音が響く。イサオがちゃぶ台をひっくり返す音だ。幸江が作った食事が四苦八苦に散らばる。イサオは無口な乱暴者で酒飲み、その上ギャンブルに明け暮れている。幸江の不運と貧乏は、実は今に始まったことではない。宮城県、気仙沼で生まれた幸江は、物心つく前に母が家出し、男手一つで幸江を育てた父・家康は、飲んだくれで借金まみれだった。生活は中学生の幸江の新聞配達や内職にかかっていた。「幸せになれますように」神社でお参りするのが日課の幸江に、ある日事件が起こる。家康が愛人と新婚旅行に行くために銀行強盗をして捕まってしまったのだ。パンツ一丁で連行される父の姿に・・・