2007(平成19年)/8/25公開 カラー PG-12
配給:松竹 製作:松竹株式会社
1933年、ハンガリーで1枚のシングルレコードが発売された。そのタイトルは『暗い日曜日』――。しかし発売から間もなく、この曲を聴いて自殺をする者が続出。ハンガリーではすぐに販売・放送が禁じられてしまう。3年後、『暗い日曜日』はフランスに渡りシャンソンとしてヒットするが、やはりフランスでも曲を聴いたことで自殺する者が相次ぐ。同年、日本でも淡谷のり子が日本語の詩でカバー。国内においても、数人の自殺者が出たという。そして、68年には、作曲者のレッソ・セレシュ自身が投身自殺を遂げるのだった……。“自殺ソング”として知られるこの『暗い日曜日』をモチーフとして、映画『伝染歌』は作られた。単なる都市伝説ではない、実話から紡ぎだされたストーリー。そこには、フィクションとしてのホラー映画の域を超えた、リアリティが息づいているのだ。
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昼下がりの学校で、突然の自殺を遂げた女子高生、香奈。その場に居合わせた、あんずは、その瞬間、香奈が不気味な歌を口ずさんでいるのを聞く。白昼堂々、公衆の面前で起きた女子高生の自殺劇に、マスコミの間では、「いじめがあったのでは?」との憶測が飛び交う。時を同じ頃、三流風俗雑誌『月刊MASACA』の編集部員の陸は、街で、歌うと死ぬという“伝染歌”の噂を耳にする。10年前に発売された「僕の花」を聞いて歌ったものは、みんな自殺してしまう。いっけんありがちな都市伝説にも思える噂であったが、何かに突き動かされた陸は、他の編集部員の力を借りながら、その謎を追いかける。あんずも、香奈が最後に口ずさんでいた歌が気になり、学校の仲間と香奈の周辺から謎を追い始める。運命の糸に操られるかのように出会う陸とあんず。香奈の親友であった朱里と陸の兄的存在である編集部員太一の4人によって物語のスピードは加速する。飛び火する学校内での連鎖自殺。あんずが見てしまう白い服をきている女の子の存在。死への引導か?呪いか?確実に関わったもの全員にそれは迫ってくる。その歌を歌ってしまった。女子高生達は?その歌を歌ってしまった編集部員たちは?その歌を歌ってしまった市井の人々は?元凶は曲を作ったプロデューサーか?作曲家か?ダミアの「暗い日曜日」との関係性は?全ての謎が絡まりだし、答えが見つからないと思えたとき、あんずが、その歌の意味にきづく。歌にこめられた意味とは?伝染歌とは?なぜ歌えば死ぬとわかっているにもかかわらず、人は歌ってしまうのか?その歌が伝えるのは、絶望か希望か?その答えは驚くような結末にある。