2011(平成23年)/10/15公開 127分 カラー シネマスコープ G
配給:松竹 製作:「一命」製作委員会
2011年。カンヌ国際映画祭で、一本の日本映画が熱狂に包まれ、上映された。それは前年、ベネチア国際映画祭で「十三人の刺客」が絶賛され、今や世界が注目する監督の一人となった三池崇史監督、待望の新作「一命」。怒涛のストーリー展開、鬼気迫る役者陣の演技、緊迫感あふれる独特の映像美、そして衝撃の結末に、世界の映画関係者、ジャーナリストは騒然となり、終映後のスタンディング・オベーションは、鳴りやむことがなかった。世界を震撼させたこの話題作が、ついに日本で、そのベールを脱ぐ。
17世紀。戦国の世は終わり、平和が訪れたかのようにみえた江戸時代初頭、徳川の治世。しかし、その下では大名の御家取り潰しが相次ぎ、仕事も家もなくし生活に困った浪人たちの間で【狂言切腹】が流行。それは裕福な大名屋敷に押し掛け「庭先で、切腹させてほしい」と願い出ると、面倒を避けたい屋敷側から職や金銭がもらえるという、都合のいいゆすりだった。そんなある日、名門・井伊家の門前に一人の侍が、切腹を願い出た。名は津雲半四郎。家老・斎藤勘解由は、数ヶ月前にも同じように訪ねてきた若浪人・千々岩求女の、狂言切腹の顛末を語りはじめる。武士の命である刀を売り、竹光に変え、恥も外聞もなく、切腹を願い出た若浪人の無様な最期を―――。そして半四郎は、驚くべき真実を語りはじめる。