2015(平成27年)/9/12公開 138分 カラー G
配給:松竹 製作:2015「天空の蜂」製作委員会
原発問題をはじめ、テロの脅威、自然災害など、大きなリスクと課題に直面している現在の日本。日々の暮らしを守るために、何を選択しどのように生きるべきなのか。日本の誇る「モノづくり」の技術がもたらした恩恵と危険性。その意味を知った今、そのようにそれらと付き合っていくのか。そして、未来を担う次の世代に何を潰すのか。本作は1995年に生み出された≪フィクション≫だが、20年前に発せられた数々の問題提議が、今また異なる意味をもって、2015年を生きる我々の心に訴えかける。
1995年8月8日。最新鋭の超巨大ヘリ《ビッグB》が、突然動き出し、子供を一人乗せたまま、福井県にある原子力発電所「新陽」の真上に静止した。遠隔操縦によるハイジャックという驚愕の手口を使った犯人は〈天空の蜂〉と名乗り、“全国すべての原発の破棄”を要求。従わなければ、大量の爆発物を搭載したヘリを原子炉に墜落させると宣言する。機内の子供の父親であり《ビッグB》を開発したヘリ設計士・湯原(江口洋介)と、原子力発電所の設計士・三島(本木雅弘)は、上空に取り残された子供の救出と、日本消滅の危機を止めるべく奔走するが、政府は原発破棄を回避しようとする。燃料が尽きてヘリが墜落するまで、残された時間はたった8時間――姿の見えない敵との緊迫の攻防戦が始まった。その頃愛知県では、《ビッグB》と原発を開発した錦重工業本社に、家宅捜索が入っていた。総務課に勤める三島の恋人・赤嶺(仲間由紀恵)は、周囲に捜査員たちが押し寄せる中、密かに恋人の無事を祈る。一方、事件現場付近で捜査にあたる刑事たちは、《ビッグB》を奪った謎の男(綾野剛)の行方を追跡。聞き込みを続けるうちに、ある意外な真相へと辿り着いていく――。