1979(昭和54年)/12/22公開 90分 カラー シネマスコープ 映倫番号:19931
配給:東映 製作:東映
コーネル・ウールリッチの小説「睡眠口座」を基に、奇才・久世光彦が老サギ師と若者のおかしな関係を描いたヒューマン・コメディ。
24歳のマコトは、読み捨ての朝刊を拾い、睡眠口座の公示を見つけた。他人の貯金を横取りしようと銀行へ連絡し、雨笠治と名乗り出る。マコトは新聞の切り抜きを頼りに雨笠家を訪ねるが、家はなく駐車場に雨笠治平84歳がしゃがみこんでいた。20年前の火事で雨笠家は家族全員が焼死、しかし当時4才の治の遺体だけが発見されなかったという。口座の金はそのとき貯金していた金であろう。生きていればちょうどマコトと同じ年だ。マコトは図書館の古新聞で調べた雨笠家のことを暗記し、銀行へ乗り込んだ。貯金額を聞いてビックリ仰天。なんと7,974,554円である。マコトは市役所へ戸籍謄本を取りに行くが、そこへ治平が孫・治の死亡届を出しに来た。ひとりの人間をめぐって、死んだことを届けに来た男と、生きている証明書をもらいにきた男が鉢合わせに…。