1983(昭和58年)/4/29公開 131分 カラー ビスタ 映倫番号:110723
配給:東映 製作:東映 / 今村プロダクション
日本人の心の深淵に潜む人間性をバイタリティ溢れるタッチで描く今村昌平監督が、「生」と「死」、「親」と「子」の人間関係の本質を追及し、徹底したリアリズムで厳しい労働とセックスを存分に描いた魂のドラマ。第36回カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作。
冬。信州の雪に埋もれた小さな村のはずれにおりんの家があった。おりんは今年69歳、楢山まいりの冬を迎えようとしている。この村では70歳を迎えた冬にみんな楢山へ行くことで貧しい村の未来を守っていた。それは死を意味し、供につく者の親を思う心は重くつらい。
おりんは楢山へ行くことを少しも恐れてはいなかった。夏、楢山祭りの日、息子・辰平の後添えに向こう村から玉やんがやってきた。おりんは玉やんを気に入り、得意のやまめ取りを教えると約束する。早秋、食料を盗んだ村人が生き埋めにされた。これも村の厳しい掟の一つだった。また、子の数を制限するため三男以下の村男は嫁を娶ってはいけない。晩秋、おりんが玉やんにやまめ取りの秘法を教えたその晩、山へ行くための儀式が始まった。辰平はおりんを背負って険しい山を登る。そこには無数の老人たちの白骨が待っていた…。
第36回カンヌ国際映画祭グランプリ:第7回日本アカデミー賞(最優秀作品賞・最優秀主演男優賞・最優秀録音賞):文化庁優秀映画賞