1981(昭和56年)/4/25公開 112分 カラー ビスタ 映倫番号:110407
配給:東映セントラルフィルム 製作:東映
松田優作と、彼が長年ラブコールを送っていた工藤栄一監督が「アカ抜けたシンプルな作品を…」ということで意気投合、オール横浜ロケによる斬新な映像作品に仕上がった。登場人物も演じるキャスト陣も、優作映画ならではのユニークな顔ぶれが集まっている。
うらぶれた深夜のブルース・バー。BJは、そこで唄っている売れないロック・シンガー。裏で情報のさぐり屋をやったり、私立探偵のマネ事をしている。BJは、組織のボス・牛宅麻に呼び出しを喰い、その帰りぎわ、チラッと目にした男が、蟻鉄雄という組織の用心棒。刑事・椋とBJは、10年前サウスブロンクスにいたころからの親友で、椋の今の女房・民子はBJの元恋人。椋は組織に深入りしすぎて、ちょっとヤバイ感じ。案の定、椋は背後から銃弾を浴びて殺される。目の前で見ていたBJの驚き。その上、椋の部下の紅屋にBJは容疑をかけられる。そこでBJはまず組織の蟻を洗うことにした。蟻は半年も前から男色趣味にイレこんで、近頃はハードゲイ4人組がお相手と知ったBJ。さっそく4人組を追いかけたが、尾行されていると気づいた彼らはいきなり逆襲してきた。しかし腕はBJが一枚も二枚も上。押えつけられた一人が吐くには、蟻と椋の女房・民子が通じている…!そんなことはない。だが、民子の妙な様子、そして豪華すぎるマンション。 蟻からの連絡場所になっている“ヘルハウス”というゲームセンターで、BJは電話を待った。そこに入った情報では蟻はしばらく外国へ飛ぶらしい。いったいどうなっているんだ。もうひとつおかしいことがある。射殺された椋刑事の記事が、どの新聞にも見当たらないことだ。やがて、紅屋に向けたBJの疑惑。社屋を尾行したBJは、スパッと言ってみた。紅屋よ、貴様ァ、組織とグルなんじゃないの…?BJは、とにかく蟻の外国行きを確かめようとヨコハマ一帯の旅行代理店をシラみつぶしに捜していくが、その途中、民子を追いかける蟻の姿を目撃する…。