1984(昭和59年)/6/9公開 133分 カラー ビスタ 映倫番号:111360
配給:東映 製作:東映
昭和35年から36年にかけて実際に起きた事件をモデルに、打算のない純粋愛を発見していく女の切実な葛藤を描いた作品。二人の夫を殺し、凶悪犯として世間から毒婦の汚名を浴びた主人公を吉永小百合が演じる。ほかに、中村嘉葎雄、三浦友和、西田敏行、津川雅彦らの豪華キャストが共演。
「わたし…綺麗でしょうか。」女がこの世に残した最後の言葉であった。昭和45年6月11日、東京小菅拘置所の処刑場で、一人の女が天国への階段を上った。林葉かよ、47歳。美しい人だった。
昭和30年春、麗人の評判高いかよは戦争で不具となった夫・栄三に良く尽くしていた。だが栄三は、初夜を迎えないままに出征したため未だに夫婦になりきれないことと、かよが余りにも男の目を引くために、夜な夜な嫉妬心の塊となって辛く当たった。そんなかよに目を付け、この悲劇の鍵を握る橋本という巡査が同情するふりをして近付いてきた。満たされぬ日々に悶々としていたかよは手込めにされ、それに気付いた栄三はかよを厳しく折檻する。そして既に橋本に心が移っていたかよは思い余って栄三を毒殺するのだが…。
第8回日本アカデミー賞(最優秀主演女優賞)