1986(昭和61年)/9/6公開 133分 カラー ビスタ 映倫番号:112031
配給:東映 製作:東映
ヘッドライトが、ふと捉えたあの微笑み・・・それが男と女の悲しい愛の始まりだった。
長距離トラックの運転手と国道沿いのドライブインで働くウェイトレス。名匠・蔵原惟繕監督が、フランス文学の傑作、セルジュ・グルサールの原作を移り変わる四季折々の詩情を織り込んで描いた「愛の名編」である。
この道30年、トラックの仕事に明け暮れてきた田島精治は、ギャンブルの泥沼でサラ金通いの稔と組んでもう長い。その稔は妻の秀子に愛想をつかされた今、独り身の暮らしをしている。
国道181号線、米子の手前にあるドライブイン「さくら」。20年前に事故で片脚をなくしたかつての相棒・直吉は、ここのマスターにおさまっていた。久しぶりに立ち寄った精治は、若いウェイトレスの小宮和江に目を止め、心惹かれるものを覚えたが、和江は店を辞めて母親のいる荻に帰るという。精治は和江を荻までトラックに乗せ、心を残したままそこで寂しく別れた。しかし、ふたりはすぐに再会する。和江が母の家で受け入れられなかったのだ。行き場を失った和江を精治はトラックに乗せた…。