1997(平成9年)/8/9公開 94分 カラー ビスタ 映倫番号:115112
配給:東映 製作:フジテレビジョン / 東映
「ぼくたちの映画シリーズ」第3弾。大学生の朝代とおかまのデボラのはちゃめちゃラブストーリーを描いた多田かおるのコミックを映画化。
主人公・朝代役は本作が初主演となる吉川ひなの。スウェディッシュポップスブームを巻き起こした“カーディガンズ”をプロデュースしたトーレ・ヨハンソンが音楽を担当している。
同時上映「ときめきメモリアル」
「ワォ!」満員のスタジアムに駆け込み、グラウンドを目の前にして関本朝代は思わず声を上げた。関東大学対抗のアメフト大学リーグジャパンウォーズ杯決勝、光明大学アルバトロスVS若葉大学イーグルス、白熱した試合はまさに佳境だ。客席ではメモ魔の親友・本間しずかが解説してくれた。「アルバトロス1番QB市松から88番五十嵐へのロングパスがかっこいいんですよ」今まさに優勝を賭けたロングパスが!しかしボールは無情にも五十嵐の手を離れゲームセット。朝代は悔しそうにヘルメットを脱ぐ五十嵐に目が釘づけになる。選手出入り口でアルバトロスを待つ朝代としずかは、ブレザーの中にピンクのブラウスを着た異様な選手を発見。彼こそが伝説のロングパス名手・市松梅之助だった。「オカマだ」思わずつぶやくしずかに「私のことデボラって呼んで」と妖しい微笑を投げかける。一方、五十嵐を見つけた朝代は思い切って声をかける。「今日の試合感激しました!」硬かった五十嵐の表情が和んだ。朝代の恋の始まりだ。
半年後、朝代としずかは光明大学に入学。堅物登川教授の授業にあのデボラが出席していて二人は驚く。二人が選んだサークルはもちろんアメフト部を陰で支えるチアリーダー部だ。華やかな先輩たちの演技に胸躍らせるが、現実はスマイルの練習や地道な筋肉トレーニングの厳しい毎日が続く。朝代は大学入学を機に教育評論家の母・麗子を口説き落として念願の一人暮らしをスタート。引っ越してきて隣室がデボラと知ってビックリ。一見怪しいデボラはロックグループ・ブロンディのヴォーカル デボラ・ハリーを崇拝する、マニキュアを欠かさない心優しきオカマだった。デボラは朝代の五十嵐への片思いを一目で見抜き、「アタックしてみなさいよ」と後押しする。デボラの薦める可愛い服を着て勇気を出して話しかけてみたり。しかし、朝代のけなげな努力も五十嵐の恋人・音大生千秋の存在を知ってジ・エンド・
朝代はやりきれない気持ちをチアの練習にぶつける。デボラともすっかり打ち解け、お互いに部屋を行き来する仲良しになる。ひと夏が過ぎ、いよいよ試合の季節がやってきた。アルバトロスは連戦連勝。ところが、五十嵐はどうも元気がない。千秋が五十嵐と別れ音楽留学の道を選んだのだ。やがて五十嵐は朝代と付き合うように。朝代バラ色の毎日だ。ところが、ある日朝代は知ってしまう。
デボラの部屋に飾られているのは五十嵐の写真ばかり、だということを。デボラは密かに五十嵐を思い続けていたのだ。「デボラが五十嵐さんを好きだと知っていたら、付き合ったりしなかったのに」とまどう朝代にデボラはそんな態度は偽善的だと批難する。思わず朝代は「オカマに普通の恋の何が分かるの?」デボラは朝代を平手打ち。自分の中の何かが崩れたデボラは、大会決勝を前に姿を消す。朝代、五十嵐、デボラの恋の行方は?