1997(平成9年)/10/25公開 95分 カラー ビスタ 映倫番号:115037 R15+
配給:東映 製作:東映ビデオ / 東北新社
発表当時「芸術か猥褻か」という論議を呼んだ谷崎潤一郎の小説の4度目の映画化作品。監督はロマンポルノの傑作「天使のはらわた 赤い淫画」などの池田敏春。
昭和34年、美術教授の安西は、性的告白が綴られた日記を後妻の郁子にそれとなく盗み読みさせるという遊戯を始める。これによって、名器を持ち淫蕩な体質でありながら慎み深い妻の性衝動を解放し、さらに衰え始めた己の性の欲望をかき立てようというのだ。プレイボーイの木村と娘・敏子を巻き込んだ夫婦の遊戯は、木村と敏子が結婚した後もエスカレートを続けるが、郁子の裸身の写真を木村に現像させ嫉妬と興奮を覚える頃には安西の健康はすっかり蝕まれていた。妻の貞操を信頼しつつ、不貞の疑惑と嫉妬とに苛まれた安西は、すっかり性的に解放された郁子を抱き、倒れてしまう。そして郁子の体に溺れて半身不随となった安西は、郁子から日記を読み聞かされて死に至る。それは安西への残酷で人知れぬ愛情であった。