1998(平成10年)/10/10公開 120分 カラー ビスタ 映倫番号:115233
配給:東映 製作:フジテレビジョン / ポニーキャニオン / アルタミラピクチャーズ
原作は、第4回坊ちゃん文学賞を受賞した敷村良子の同名小説。
四国・松山を舞台にボートに魅せられた女子高校生たちの3年間の友情を描いた青春映画の佳作。田中麗奈のデビュー作。
美しく穏やかな海に囲まれた松山で生まれ育った悦子は、成績優秀で要領のいい姉に比べ、不器用で勉強も苦手。新しく始まる高校生活を目前にしても、心底打ち込めるものが見つけられずにいた。始業式当日から、幼なじみであり天敵の関野ブーには嫌味を言われ、入ろうと思ったボート部には女子チームはないと門前払いされてしまう。しかし、悦子はふいに思いつく。「そうか! ないんじゃったら作ったらええんか。」
悦子がかき集めてきた残りのメンバーは、ダッコ、ヒメ、リー、イモッチの4人。悦子を含め全員が運動部未経験でボートを海まで運ぶことさえ覚束ない。当然のごとく勝利には程遠い毎日。そんな彼女たちの前に、元・日本選手権メンバーという経歴だけは立派だがやる気の全くないコーチ・晶子が現れる。
時は過ぎ、迎えた2年目の夏合宿。この瞬間がやがてかけがえのないものになることを感じながら宿泊先の艇庫に枕を並べる5人。そして迎えた2回目の新人戦。試合前、少女たちの掛け声が澄みきった空に向かってまっすぐに響き渡る。「ひがしこー(東高)、がんばっていきまっしょい!」晶子、関野ブーたちの声援を受けて悦子たちはオールを漕ぎ始めた。