2005(平成17年)/6/4公開 118分 カラー ビスタ 映倫番号:117195
配給:東映 製作:「四日間の奇蹟」製作委員会
不測の事故で夢を絶たれたピアニスト。音楽に天賦の才を持ちながら心を固い殻で閉ざす少女。2つの孤独な魂は、家族を失いながらも島の療養所で明るく働く1人の女性に出会い、響き合う。突然の落雷が少女と女性を見舞った。咄嗟に少女を庇った女性に何が起こったのか?コーラルグリーンの海に立つ礼拝堂が、彼ら3人に舞い降りたひそやかな奇蹟を見つめていた・・・。第1回「このミステリーがすごい!」大賞に輝いたベストセラーを「半落ち」の佐々部清監督が自らの脚本で映画化。
狭い娯楽室にドヴォルザークの『新世界』を奏でる旋律が響き渡る。一台のグランドピアノの前に座るのは心を閉ざし、思いを上手く伝えることが出来ない少女・千織。一度聴いた曲はをどんなに難しいスコアであっても引くことが出来るという、その音楽的素質は天才的であった。演奏が終わる彼女を優しく出迎える如月啓輔。彼は将来を嘱望されたピアニストであった。ロンドン留学中の5年前、暴漢に襲われた千織親子を助けようとして千織の命と引き換えに左手薬指の神経を断裂してしまう・・・その日を境に啓輔は2度と人前でピアノに触れることはなく、その手は白い手袋で隠されてしまった。衝撃的な運命で出会った二人は帰国し、日本各地の施設を千織のピアノ演奏で慰問することに生甲斐を見出す。穏やかな海に浮かぶ島の療養所で働いている岩村真理子。嫁ぎ先に離縁され失意の彼女の心の支えとなり、働く場所を世話したのは、療養所の医師倉野順次と妻・和枝であった。今では、患者達に慕われ明るく働く真理子。啓輔と千織が療養所を慰問に訪れた。出迎える誰よりも真理子は2人の訪問を心待ちにしていた。真理子にとって啓輔は12年ぶりに再会を果たした、初恋の人だったのだ。翌日、演奏会が終わり、中庭の風車の下で遊ぶ万里子と千織だったが、突然の落雷が2人を直撃。傷を負った万里子の命の期限はあと4日。残酷な宣告が下された時、信じられない奇蹟が起こった。