2005(平成17年)/7/9公開 121分 カラー ビスタ 映倫番号:117055
配給:東映 製作:「フライ,ダディ,フライ」製作委員会
「GO」原作者として知られる金城一紀の同名小説を映画化した青春ドラマ。金城自身が脚本を手懸けている。家族の絆を失っている孤独な在日の青年と失いつつある中年男。どこか人生を達観したような高校生と平凡な父親に甘んじてきたサラリーマン。部分部分で立場を同じくし、また異にする2人の心の交流、そして両者の成長が繊細に且つ爽やかに描かれる。
自分の娘を傷つけた高校生石原に復讐するため鈴木は包丁を持って単身、石原がいる高校に乗り込んだが朴舜臣(パク・スンシン)に一発でのされ殴り込み先を間違えたことに気付く情けなさ。事情を知ったスンシンとその仲間ゾンビーズは、鈴木を特訓して自分たちも気に喰わない石原と対決させる計画を思い付く。鈴木の教育係はスンシン。体力をつけるための単調な基礎トレーニングの日々が続く。それなりに、精悍さを見せる鈴木の本気にスンシンもやる気を増す。いよいよ本格的な格闘の特訓に入るときスンシンは言う「俺が教えるのは戦い方であって勝ち方じゃない」弱音と特訓が繰り返され、全く異なる価値観を持ち異なる世界に生きてきた2人の心が少しずつ近づいていく。不安を抱えながらも決戦の日は来た。「俺は勝てるかな?」とつぶやく鈴木をスンシンは「本物の勇気を感じることができたら戦わなくても勝ちなんだ」と送り出す。舞台は始業式の校庭、不敵に笑う石原、覚悟を決めた鈴木。緊張と興奮が最高潮に達したとき、決戦のゴングが鳴った!