2005(平成17年)/9/17公開 116分 カラー ビスタ 映倫番号:117149
配給:東映 製作:「深紅」パートナーズ
作家としても脚本家としても精力的に活動していた野沢尚が、自身の吉川英治文学新人賞受賞作である「深紅」を元に渾身の力を込めて書き下ろした遺作脚本を新鋭監督・月野木隆が完全映画化。ある殺人事件が遺した、被害者と加害者の娘、ふたり。親が犯した罪と罰は子に引き継がれるのか?心に深い傷を抱えて成長した彼女たちが出会った時、そこに何が起こるのか?これはふたりの揺れる想いを通して、生と死、愛と憎しみ、そして哀しみからの再生を映し出す、鮮烈な《マインド・ミステリー》である。
小学生の秋葉奏子は、修学旅行先で家族が事故に遭ったことを告げられ、担任教師とともに家族が運ばれた病院へ急行する。病院に着いた奏子は叔母から両親と幼いふたりの弟が都築という男に殺されたことを知らされる。奏子が旅行先からタクシーに乗り、家族の遺体と対面するまでに要した時間は4時間。この体験がトラウマとなった奏子は、4時間の出来事をリアルタイムに追体験する『空白の4時間』の発作に襲われるようになる。-そして8年後、大学生になった奏子に惨殺事件を追い続けてきたルポライター・椎名から都築に死刑判決が下りるという報告が届く。奏子は都築の娘・未歩に会うため椎名から強引に彼女の住所を聞き出す。やがて未歩が働くバーを訪れた奏子は自分の素性を隠し未歩と親しくなっていく。無邪気に自分の素性を明かす未歩「死刑囚の娘なの、私」・・・未歩には容赦ない暴力を振るう明良という夫がいた。奏子は未歩に明良を殺せばいい、と仄めかす。しばらくして明良に蹴られたことが原因で、未歩は流産してしまう。未歩の中に明良に対する殺意が宿ったのをみた奏子は、彼女にアリバイ作りの協力を申し出る。入念な計画を重ねた殺人決行日、突然に奏子を『空白の4時間』の発作が襲う。殺人計画の行方は?8年前の計画は何故起こったのか?そしてふたりの少女の運命は?