2007(平成19年)/5/12公開 135分 カラー ビスタ 映倫番号:117466
配給:東映 製作:2007「俺は、君のためにこそ死ににいく」製作委員会
本作は”特攻の母”として知られる鳥濱トメの視点から、若き特攻隊員たちの熱い青春や哀しい愛といった真実のエピソードを連ねて描いた戦争群像劇である。製作総指揮は現東京都知事であり作家の石原慎太郎。トメさんと長年親交を深めてきた石原氏は、隊員たちの心のヒダに入り込み、彼等の想いを汲み続けた彼女自身の口から若者たちの真実の姿を聞かされ、1999年に本作を企画し、自ら脚本を執筆した。監督は「オキナワの少年」「秘祭」等自らのルーツである沖縄をテーマに意欲作を作り続ける新城卓。今回も特攻と沖縄は切っても切れない関係にあるという確固たる信念の下、エネルギッシュに演出に挑んでいる。
昭和19年秋、太平洋戦争で圧倒的に不利な戦況に陥っていた日本軍は、米軍のフィリピン攻略を阻止すべく苦汁の選択を迫られる。それは大西瀧治郎海軍中将による提唱の下、少ない戦力の中、敵と戦う最後の手段として、戦闘機に250キロの爆弾を搭載して敵艦に体当たりする特別攻撃隊を編成することであり、関大尉らが初めてこれを決行した。しかし、マニラを陥落させた米軍はついに日本本土攻略に着手し昭和20年春、沖縄に上陸。鹿児島県の知覧飛行場は沖縄を断固死守する為、陸軍の特攻機地となり、そこから終戦までに439名もの若者たちが飛び立っていくことになった。軍指定の冨屋食堂を構え、若き飛行兵たちから母のように慕われていた鳥濱トメは、二度と帰らない彼らを引き止めることもできず、複雑な想いを胸に秘めながら、慈愛の心で常に彼らを見守り続ける。知覧基地に着任した特攻隊員たちの世話を命じられたトメの娘・礼子ら知覧高女の生徒たちも、そこで死地に赴く若者たちとの出会いと別れを幾度も繰り返していくことになる・・・。やがて昭和20年8月15日、日本は終戦を迎えた。しかし、これで全てが終わったわけではなかった。特攻で生き残った者達は罪の意識に苛まれながら、生の意味を問い続けていく。トメは彼らのそんな過酷な試練をも目の当たりにすることになる・・・。