2007(平成19年)/11/3公開 116分 カラー ビスタ 映倫番号:117775
配給:東映 製作:「オリヲン座からの招待状」製作委員会
原作は国民的人気作家である浅田次郎の「オリヲン座からの招待状」(集英社刊)。220万人を感涙の渦に巻き込んだ大ベストセラー「鉄道員(ぽっぽや)」の最終篇に所収され、長く映画化が待ち望まれていた。主演には、山田洋次監督「たそがれ清兵衛」での日本アカデミー賞主演女優賞をはじめ、国内外で高い評価を得ている、女優・宮沢りえ。相手役には、クリント・イーストウッド監督「硫黄島からの手紙」、周防正行監督「それでもボクはやっていない」(主演)に抜擢された実力派・加瀬亮。また脇を固める俳優陣には宇崎竜童、田口トモロヲ、中原ひとみ、樋口可南子、原田芳雄の豪華キャスト。季節の移ろいが美しい京都を舞台に、西陣織、蚊帳の中の儚い蛍など、日本の伝統美を交えつつ映画館を守り続けた二人の愛を描く。
「突然ではございますが、昭和25年の開館以来半世紀以上に亘って地元の皆様に愛され親しまれて参りましたオリヲン座は、誠に勝手ながら今秋をもちまして閉館する事と相成りました」そんな招待状が、ゆかりの人々の元へ送られてくる。昭和30年代、先代の館主で映写技師でもあった豊田松蔵が病に倒れ、その弟子であった留吉が、その志を引き継ぎ先代の妻・トヨと映画館を守ることになった。旧い時代、周囲の人々からは師匠のかみさんを寝取った若主人、不義理な女将などと陰口を叩かれたりもした。さらには映画産業が斜陽になり始め、貧乏に耐えながらもひたすら映画を愛し、映画の灯を絶やすことなく守り抜いた二人、そして何よりも純粋にお互いを思いやり、愛し続けたのだった。一方そんなオリヲン座を一番の遊び場としていた幼い子供がいた。二人は毎日映写室の小窓から名画を覗いて成長した。やがて大人になり、結婚して東京で生活を送っていたが、いつしかお互いを思いやる心を見失い、別れを決意していた。そんな祐二と良枝の元に、まるで何かを予感させる様に、一通の招待状が届くのだった。オリヲン座・・・、そこは優しい奇蹟の宿る場所。