1952(昭和27年)/2/21公開 68分 モノクロ スタンダード 映倫番号:397
配給:東映 製作:第一映画プロ
狩勝峠を登っていく急行列車。トンネルを抜けたその先では、原始林にかこまれた小屋の前で今日もアイヌの少女が汽車に向かって手を振っていた。機関士の三島と助手の小田切は、彼等の機関区の間でマスコットとなっていたその少女の顔を見て、お互い笑顔を見せあう。だが機関区へ帰って来た二人が、その日裁定された生活補給金が、要求してた半額しか出ないと知り落ち込む。三島は一人娘百合子のオーバーも買ってやれそうにないし、小田切は恋仲で札幌駅の駅売りをしている春子と、いつ結婚出来るかわからない。三島の妻園子は内職を探しに行くのだが、その留守に百合子が事故で死んでしまった。夫婦間に気まずい空気がただよう。一方春子も、母と登別へ移住するという。さらに悪いことは重なり、あの手を振ってくれるアイヌの少女が病気で重体になったというのだ。そのことを知った機関区の連中は、小屋の近くで機関車を止めて、少女を札幌の病院へ入れようと提案する。だが、規則に反するといって許可は出ない。三島と小田切とは無断停車を覚悟で出発したのだが…。