1953(昭和28年)/4/14公開 85分 モノクロ スタンダード 映倫番号:989
配給:東映 製作:東映
当代の大顔合せで、大向うを唸らせる股旅時代劇の最高篇。死んだ女房に生き写しの女を追って、旅鴉右太衛門が見せる恋と脇差の街道仁義、東映独自の痛快篇である。
とある港町で、死んだ恋女房のお千代に生き写しの女お俊を救った、的場の新太郎と弟分の三公。お俊は土地の親分扇屋松之助に見込まれていた。だがお俊は宿屋の一室で介抱してくれた新太郎の男気が気になり始め、新太郎もお千代に瓜二つと会って気が気でない。松之助も手下を繰り出して新太郎を追わせるが、新太郎は簡単には屈しない。だがお俊は新太郎に災難が及ぶのを恐れ、一人姿を消してしまった。ようやくお俊に対する気持ちに気付いた新太郎は、彼女を探しに三公と再び旅に出る。道中で、鐘鬼の仁吉親分に襲われていた娘お菊を助け出した夜、遂にお俊と巡りあう。だが、お菊がまたもや危ない目にあっていることを知って黙ってはいられないのが新太郎。お俊は自分を残して走り去る新太郎の姿を恨めしそうに見つめるのだった。お俊は桔梗屋の女中として働くが、ここの亭主茂十は、実は松之助と兄弟分であった。松之助に再び襲われそうになり、辛くも一旦は逃げ出したものの、新太郎に貰った簪を取り戻すために再び桔梗屋に。一方茂十の賭場でイカサマを見破り、啖呵を切って茂十に誘われた新太郎も桔梗屋へ。ここで桔梗屋には因縁の三人が揃ってしまう…。