1953(昭和28年)/6/24公開 93分 モノクロ スタンダード 映倫番号:987
配給:東映 製作:東映
「母の罪」以来、幾多の佳作をおくった東映の浪曲母映画。愛児と分かれて苦難の人生を生き抜く若き母の半生と母を慕う子の涙を、御馴染みの名調子三門博、天津羽衣の浪曲で綴る感動の傑作。
青葉小学校に新しく赴任してきた女教師三島暁子は、そこで教鞭を取る秋葉俊二と再会した。俊二は暁子の姉康子のかつての愛人であったのだ。更にこの学校には康子と松浦喬彦との間に生まれた子供一男が通学していた。そして暁子は奇しくも一男のいる一年二組の担任となった。だが一男は盗癖を持っていて、生まれながらの境遇からか頑なな性格となってしまっていた。康子と離婚し、後妻に雅代に迎えた喬彦だったが、雅代は一男のことを何かと憎んでいたのが原因だった。仕事で多忙のために構って上げられない喬彦の代わりに、暁子は俊二と共に一男の悪癖を優しく諭し続け、一男も少しずつ心を開いていく。だが、暁子を密かに狙っていた俊二達の同僚の岩田は、二人の行動に風評を撒き散らしていく。暁子の行為に勘当した喬彦は過去の非礼を詫びるのだが、暁子が前妻の妹であることを知った雅代は激怒、校長に暁子の組から離すよう直訴してしまう。その話を聞いた喬彦は向島で、今は千代龍という名の芸者となった康子と再会。一男の話を聞いて青葉小学校までやってくるのだが、遠目から一男を眺め涙するしかなかった。暁子から遠ざけられた一男は雅代の叱咤に反抗して家出してしまう。向島で雅代になじられ、喬彦から逃げ出した康子は一男を偶然見つけ出したが、母と名乗れずに一男を送り返すのだった…。