1954(昭和29年)/6/8公開 82分 モノクロ スタンダード 映倫番号:1348
配給:東映 製作:東映
大都会に血と恐怖の旋風を捲き起こす凶悪麻薬密輸団の暗躍を背景に、一発必中の拳銃渡世で暗躍街に君臨する無法者の愛と友情と激情の生涯を描いた凄絶迫真のドラマ。
画廊オリエント・ギャラリイを根城にし、港一帯に麻薬密売の取引を牛耳る密輸団は、首魁沼崎の下に殺人鬼児玉健、黒沼、今西、西田新吉、そして拳銃の名手「二挺拳銃の竜」こと沢村竜二がいた。だが、竜は健の様に根っからの殺人者ではない。貧乏故に妻に裏切られ、重病の愛娘早苗を救いたい一心で、旧友の沼崎に誘われてこの密輸団に加担することになったのだ。それゆえに、私生活では早苗のかけがえのない父親であり、また弟分の新吉と彼の恋人弘子との仲を温かく見守っていた。だが足を洗うにはあまりにも罪を重ねすぎていた…。早苗の教師である春枝の清純なまなざしに憧れ、それでも真っ当な人間に生まれ変わろうとあがく竜だったが、沼崎らと対立する麻薬組織の首魁岡島も、竜に誘惑の手を伸ばしてきた。だが竜がそれを断ると、岡島は幼稚園から早苗を誘拐しようとし、かろうじて春枝の必死の働きで逃れるのだが、春枝は竜に疑惑を持ち始める。その一方で、健が共謀していた税関史の山本を暗殺したため、関警部率いる警察捜査網の追及も厳しくなっていった。竜は春枝と早苗とのささやかでも幸せな日々を送るために決心する。春枝に真実を告げ、二人を竜の生まれ故郷である六角島に送った。最後の仕事に岡島に麻薬を売ろうとするが、岡島の密告で警官隊と銃撃戦になり、傷ついた新吉を助け出して逃げ延びた竜は六角島に向かう。だが島は既に沼崎に支配される無法地帯でもあった…。