1955(昭和30年)/2/1公開 45分 モノクロ スタンダード 映倫番号:1666
配給:東映 製作:東映
その昔御室の竹藪から切り出され、不思議にも相慕って音を生ずる月笛日笛の二管の名笛、神秘的な伝説と、戦国時代の波乱が綾どる数々の事件を背景に少年ファンを魅了する娯楽時代劇。
戦国の世、天正十六年のお話。京の都、加茂の宮の馬場で禁門方対武家方の競い馬が催された。禁門方の騎士は駿馬の名門・六条左馬頭、武家方は豊臣秀吉幕下の馬術師範鬼怒川粛白。互いの面目を賭した一戦が繰り広げられたが、左馬頭の乗馬が決勝戦で狂い死にし粛白の勝利に終わった。それから一年が過ぎ、左馬頭は弟の菊太郎と励ましあい、再度競い馬に出場しようと修練を続けていた。今度は西国一の駿馬・薫風に乗って必勝を誓い合う。だが、その話を聞いた粛白の家臣の当麻や岩瀬ら無法者たちが早くも暗躍の兆しを見せ始めていた。さて、左馬頭兄弟には千八百年の昔から受け継がれた、月笛日笛というニ管の不思議な笛があった。ある日、加茂の宮拝殿でこの笛の吹奏を奉納する兄弟に、当麻らが言いがかりをつけてきた。それを救ったのは、鞭作り右近の家に出入りする鷹取のお雪。彼女の正体はかつて裏切者の鎌田十兵衛に滅ぼされた陸奥の豪族天童義明の腰元で、戦乱で行方知れずとなった春美姫を探していたのだ。一方、粛白は左馬頭と薫風の活躍を危惧し、馬薬師の半斉に毒薬を調合させ薫風を毒殺しようとする。実は去年も六条家の馬番才助を使って左馬頭の乗馬を毒殺して勝利を奪い取ったのだ。だが、半斉はこの卑劣な企みに反抗し当麻に斬り殺されてしまう。また企みに気づいた右近の娘お千賀も監禁し、才助は薫風に毒を盛ってしまう。そして遂に競い馬の日がやってきた…。
「月笛日笛」シリーズ(3)