1956(昭和31年)/3/22公開 35分 カラー スタンダード 映倫番号:E1304
配給:東映 製作:東映
日本の象徴といわれる霊峰富士の変化激しい四季の移ろいと、その中に生息する生物を美しい色彩で描く。。
文部省特選
標高3,777mを誇る、わが国最大の火山・富士山。端麗な円錐形で人々を魅了し、山麓から1,500mあたりまでは森林地帯がドレスのすそのように取り巻き、その上を灌木地帯、さらに溶岩などで彩っている。高さによって植物の棲生が区別されているため、様々な生物がやってきて富士の夏を賑やかなものにしている。この映画は、富士を生物の都として捉え、その棲者たちの相互のつながりを描いていく。冬の帽子を被った初春の富士では、山麓はまだ寂としているが、頂上の雪が薄れるにつれ、生物界も少しずつ賑やかさを増していく。そして雨季には、植物・昆虫・鳥類・獣類という食物連鎖がはっきりしてくる。雨季が終わると夏。登山時期を迎え、人間をはじめとする様々な生き物によって一年で最も賑わう時期となる。だがそんな賑わいもつかの間。秋が近づくにつれ、富士は一足早い気温の低下で生物に冬支度を進めさせ、本格的な冬へと移っていく。