1956(昭和31年)/5/24公開 74分 モノクロ スタンダード 映倫番号:2291
配給:東映 製作:東映
大飢饉、苛酷な年貢米、悪虐非道の盗賊団に脅える上州の一寒村にあらわれた名無しの旅鴉が、国定忠治にそっくりだったばかりに義侠の長脇差を抜く羽目になる、剣入り乱れる痛快股旅活劇。
国定忠治が大戸の関所に殴り込みをかけたことが民衆の間で噂になり始め、関八州の役人たちがあちらこちらに人相書きと高札を掲げ始めた。ちんけな博奕打ちの庄助・甚太・弥吉の三人はその人相書きを見てビックリ仰天。忠治の人相書きと庄助の顔が瓜二つだったのだ。すぐさま関八州のお役人たちが十重二十重。否応無く引っ立てられた三人だったが、かろうじて証人が現れ何とか釈放されるも、その後も各地で忠治と間違われて騒動に。気が弱い三人は逆に忠治のふりをしてみても上手くいかず、とうとう三日も飲まず喰わずでぶっ倒れる寸前で、とある村の庄屋・宇右衛門に助けてもらった。しかし、この村では丁度旗本から年貢米の前借りを受けるかどうかの議論で一触即発状態。そしてまたもや庄助が忠治に間違われ、自棄になった三人は村人たちの接待を受けてご機嫌に。だが、村の娘・お光と庄助が親しくなり、勘蔵の女房・おこんが弥吉たちとねんごろになってしまう。収まらないのはお光に惚れてる庄屋の息子・宇太郎とおこんの旦那・勘蔵。勘蔵は密かに陣屋に密告しようとするが、その途中、村を狙っていた杢目の虎一味という強盗団に殺されてしまう。その頃、庄助は忠治のふりをし続けることに自責の念にかられ、密かに村を出ようとしていたのだが、三人が村を離れた直後に杢目の虎達が村を襲撃し始めた…。