1958(昭和33年)/9/23公開 95分 カラー シネマスコープ 映倫番号:10863
配給:東映 製作:東映
緋鯉の刺青も鮮やかに、意地と気風で権勢と暴虐に立ち向かう正義感・畷彦四郎、これを助ける侠客木場の小六の胸のすく活躍を、豪快右太衛門、颯爽千代之介の顔合わせで描く痛快時代劇。
深川不動尊は縁日の昼下がり。不動尊の裏手にはゴザ一枚の安直な丁半賭博がたけなわだ。木場の小六の若い衆の源次は、つぼふりの半次郎のいかさまを見抜き、半次郎の手をぐいと掴む。その場を救ったのは腕と度胸と気風のよさで今評判の、直参畷彦四郎だ。彦四郎はいかさまをした半次郎らをこっぴどく叱りつけて、木場の若い衆には負金全部に利息をつけて返すと啖呵を切った。しかし、彦四郎は三十石の貧乏世帯で金はなく、愛刀来国光を質に入れ利子に酒手までつけてスッパリ金を払った。気も晴ればれと屋敷へ帰った彦四郎だったが、待ち受けていたのが苦手の本家の頑固爺松平彦九郎。彦九郎は彦四郎に御番入りせよと命ずる。お番入りした彦四郎に支配頭の鬼沢と甲賀、真山、土岐、殿村の五人は執拗に言語を絶する辱めを与え続けた。彦四郎はそれに堪えに堪えたが、下城の途中まで待ち受けて侮辱する殿村の言動に、遂に堪忍袋の緒が切れた。彦四郎の来国光が一閃殿村の髷が宙に舞い飛んだ。そして「鬼沢以下の四人の髷も十日以内に必ず頂戴すると伝えておきな」ときっぱり言い切った。その言葉通り、彦四郎は一人、また一人と髷をはね落として行った。残るは鬼沢唯一人。だがこの鬼沢の警固に当たる鳳道場の左次馬の妻加代は、5年前には彦四郎の初恋の人であった女だったのだ。加代は家のために彦四郎を裏切ったのだが、彦四郎の元を訪れ、左次馬との決闘をやめるように懇願する・・・