1959(昭和34年)/1/9公開 88分 カラー シネマスコープ 映倫番号:10972
配給:東映 製作:東映
恒例市川右太衛門十八番「旗本退屈男」正月決定版。今回は異国情緒も豊かな大曲芸団を背景に、天下崩壊の恐るべき大陰謀に敢然と挑む颯爽諸羽流青眼崩しの大活躍。
五代将軍綱吉の時代、清国から大曲芸団を招いた。湯島聖堂建立を祝す為である。が、この行列の中から奇怪な飛道具が放たれ、老中筆頭稲葉越前守の首を射抜いた。退屈していた早乙女主水之介が京弥を連れて事件解明に乗り出す事に。老中酒井は切支丹宗徒の仕業と主張した。事実、切支丹を名乗る一団が出没し、軍用金徴発と称して強盗殺人が相次いだ。切支丹の町人が曲馬団の天幕のそばで首を射抜かれて殺され、謎は深まった。退屈男はこの町人の残した言葉に従い下谷に秋月という浪人を訪ねたが、彼は何者かにおびえ、発狂して施薬院に入っていた。この秋月も彼に差入れする娘・加代も、彼女の世話をする両替屋山惣も、みんな切支丹だった。退屈男が山惣を訪ねると、彼は家に放火された上、惨殺されていた。退屈男は切支丹の会合場所である谷中の五重塔へ行く。彼らは強盗団には関係なかった。次々と仲間が殺され、おびえきっていた。その場でも会合主・浅倉が短銃で殺されたのだ。退屈男は曲馬団の清国の含み針を見物した。日本古来の霞流含み針の術だった。老中や山惣が殺されたのはこれを使ってだろうと判断するのだった。退屈男は曲馬団の内部の探索を始めたが、彼を襲った刺客たちの中に酒井の部下がいる事を知った。これらの事件の黒幕に酒井がいたのだ・・・。
「旗本退屈男」シリーズ(20)