1959(昭和34年)/5/5公開 83分 カラー シネマスコープ 映倫番号:11202
配給:東映 製作:東映
風雲渦巻く維新前夜、勤皇思想抬頭の美名にかくれて、天下覆滅を狙う仙台黄門の野望の前に敢然立塞がった白衣白頭巾の人呼んで気まぐれ左近が花咲かす剣と恋の大ロマン。
仙台伊達六十二万石陸奥守の叔父の藤木道満は、陸奥守の病弱を利用して伊達家の実権を握り、水戸藩の勤皇の志士を扇動して天下を我が手中に収めようとしていた。飯山の領主豊後守の弟、本多左近は、二年前より道満の動きに不審を抱き、道満の拠点の水戸に深川芸者で左近を慕っている竹千代を潜入させていた。折も折、道満は又四郎ら青年剣士を従えて水戸に入る。竹千代は道満らが酒宴で乱れている隙に、青年剣士の血判状を盗み出そうとしたが失敗し又四郎らに追われた。そこに白装束に身を包んだ左近が現れ竹千代を救った。左近の出現を知り、その剣を恐れた道満は、小野派一刀流の達人、島田虎之助を使って左近を討たせようと図った。道満は白装束で左近になりすまし、虎之助の恋人の佳水の父、室賀三太夫を殺したのだ。虎之助は左近への恨みを募らせる。一方、又四郎らは道満の卑怯なやり方に不信感を募らせ、道満の門を離れた。この頃、虎之助と佳水は左近を追って江戸へ入り、お悦の家に身を置き左近行きつけの井上道場に監視の目を光らせた。時に左近は侠盗稲葉屋次郎吉の協力によって、血判状を手に入れ老中出羽守に示して道満の陰謀の全容を告げていた。いよいよ左近と虎之助の対決の時がきた。この時、次郎吉の一言によって虎之助は本当の仇は道満であることを知る。左近は虎之助とともに、道満一派の邪剣に立ち向かう・・・