1959(昭和34年)/10/7公開 62分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:11411
配給:東映 製作:東映
れっきとした貴公子に生まれながら遊蕩にふける暴れん坊、松平長七郎が、豊臣残党の陰謀を知り、新式巨砲の前に敢然と立ちはだかり、烈剣″葵真流″を鞘走らす、胸もすく痛快篇。
江戸・神田の新名所となった丹前風呂柳湯で、数十人もの湯女に囲まれモテている若侍・松平長七郎がいた。将軍家綱のご意見番である松平道閑老人の甥と言う立派な家柄なのにお城勤めを嫌い遊蕩にふける、人呼んで「江戸の若殿」だ。そんな長七郎の右腕と勝手に名乗る鼻たれ坊主のちょん平が、大川端で事件を見てきたと飛び込んできた。奇怪な修験者の集団が武家娘を襲い、娘は逃げさったが連れの若侍が無残に殺されたというのだ。現場に駆けつけた長七郎に、先ほどの武家娘・深雪が助けを求めてきた。こうして長七郎は、近く幕府に召抱えられる予定の砲術家で深雪の父でもある国友一友斉の失踪事件に巻き込まれていく。そして長七郎の留守中に、山伏の一団が深雪を浚っていった。山伏の正体は鎌倉河岸の佐々川道場の一党。道場主の佐々川蘭山は老中阿部備中守の推挙で、一有斉の代わりに将軍家に砲術を教えることになった、正体のつかめない浪人者だった。長七郎が佐々川道場に乗り込んだときにはすでに深雪の姿はなく、“ニラヤマ”と刻まれた深雪のかんざしが残されていた…。
「長七郎旅日記」シリーズ(2)