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旗本退屈男 謎の幽霊島

The Idle Vassal Pt.14

1960(昭和35年)/1/9公開 88分 カラー シネマスコープ 映倫番号:11516 
配給:東映 製作:東映

お馴染み眉間の三日月傷と諸羽流青眼崩しをひっさげて、退屈男が九州は長崎出島に登場。暗黒街に君臨する怪人物を相手に心憎いまでの颯爽たる活躍を見せる。

旗本退屈男 謎の幽霊島
(C)東映

ストーリー

事件は遠く九州長崎に端を発していた。当時長崎の町は、出島の暗黒街に君臨する謎の怪人物によって支配され、長崎奉行所も完全にこの一派の配下に置かれていたのだ。
この奉行所の中にあって、与力の守谷瀬左衛門は単身この権力に反抗、秘かに江戸へ7人の使者を送って長崎の実状を知らせようとしたが、6人は凶刃に倒れ、後の一人の行方もようとして知れなかった。
時を同じくして、江戸表でも九州の島津、細川、鍋島の三藩が、深夜秘かに会合をもって、何事かの企てを進めている気配を見せた。
ここで初めて幕府老中も動き始めたが、何しろ相手は西国の雄たる外様の三大藩、下手に探りを入れると場合によっては御公儀の威信にもかかわる重大事。そこで老中豊後守が選び出したのが、人呼んで退屈男、早乙女主水之介である。
老中は直ちに主水之介の登城を命じたが、この時既に三日月傷のお殿様・退屈男は九州長崎に向って東海道を下っていた。
お供は、退屈男の懐を狙うスリの姐御・おりんにその子分・仙大。後を追うのは、幕府大目付・望月に退屈男の用人・可内である。
長崎入りしたその夜、退屈男は唐人服の男を交えた刺客の一団に追われる守谷瀬左衛門の一子・小四郎を救うが、この時既に当の瀬左衛門は刺客の凶刃に命を落していたのだ。退屈男は小四郎に、丸山青月楼へ逃げるよう命じ、刺客を一手に引き受けて諸羽流青眼崩しを披露、折から長崎に出稼ぎにきていた江戸で馴染みの旅芸人・茜太夫の機転によって難を逃れた。
次いで退屈男は、事件の核心を探るため、長崎奉行所に正面から乗り込み、奉行・左近将監と対面するが、ここで退屈男は藤乃という女中から「出島の紅竜館、伴夢斉」という謎の言葉を囁かれた。
退屈男はこの謎の人物・伴夢斉の正体を探るため、暗黒の島と言われる出島に乗り込むことを決意、丸山青月楼に集った女将のお優、小四郎、その恋人お菊、そして女スリおりんと仙太らと秘策を練った。
その夜、出島に赴いた退屈男は異国情緒豊かな歓楽境紅竜館に入り、伴夢斉と対面する。この対面の席で退屈男は危うく毒酒を飲まされそうになるが、お酌に出た芳蘭という女の機転によって難を逃れる。この芳蘭という女も、伴夢斉も姿こそ唐人風ながら、どうやら日本人であることを退屈男は既に見抜いていた。
毒酒に次いで激しい銃弾の洗礼も逃れ、紅竜館の地下室に潜入した退屈男が見たものは麻薬にむしばまれた男女がもだえ苦しむ、さながら生地獄のような光景だった。そして、地下の倉庫には「島津家」「細川家」「鍋島家」の荷札のついた麻薬の梱包がうずたかく積まれていたのだ。
そしてまた、紅竜館の使用人に化けて潜入したおりんと仙太の手引きで、退屈男は、伴夢斉が密室の中で武将の像に合掌する姿を目撃した。即ちこの伴夢斉は、徳川に滅ぼされた宇喜多秀家の子孫で、密貿易の麻薬を九州の各藩に売りつけ、徳川の治世を混乱に陥れようと狙う怪人物だったのだ。
折しも最後の密貿易船・竜神丸が出島に到着し、麻薬買入れのため九州各藩の使者が出島に集い始めた。
退屈男は、この期を逃さず小四郎、お優そしておりん、仙太、茜太夫ら退屈男一家を総動員して長崎出島の暗黒街に君臨する伴夢斉一味に敢然と決戦を挑む…。

旗本退屈男 謎の幽霊島
(C)東映

シリーズ

「旗本退屈男」シリーズ(20)

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