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続親鸞 

SHINRAN Pt.2

1960(昭和35年)/9/27公開 128分 カラー シネマスコープ 映倫番号:11717 
配給:東映 製作:東映

その波瀾の生涯を描いて絶賛を浴びた時代劇大作の続編。苦行の世界をさまよう中、法然上人の説話に恋の迷いもとけて晴れて玉日姫と結ばれるまでを描く。

続親鸞 
(C)東映

ストーリー

永福寺太子廟の時代から五年の月日が経っていた。飯室谷の無動寺にこもった親鸞は、弟・尋有の口から養父・範綱の死を知った。巷では、親鸞が夜毎寺を抜け出して玉目姫の所へ通っているとの風説が流れていたが、尋有の見た親鸞の姿は、無明海を越えて彼岸を求めようと三峰七里の道を通い、回峯行に勤める苦行のそれであった。
しかし親鸞の迷いは解けず、また安心もなかった。いつかその足は、黒谷の吉水禅房にある法然上人の許に向かっていた。「ありのままを清浄とする。肉もよし、酒もよし、男女の道もよし、人間の自然の相のままをよしとする…南無阿弥陀仏」上人の説話に涙して耳を貸し、念仏を唱える庶民の表情に人間としての安らぎと幸福感が漲っているのを親鸞は見た。法然上人こそ親鸞最後の頼みの綱であった。今の親鸞には、少僧都の衣も位も聖光院門跡の名も不要だ。一人の親鸞に帰って仏弟子となるばかりである。それは浄土門、易行道への入門であったのである。自力聖道門に暗黒のさまよいを続け、遂に商人の手で慈悲の門に拾われた親鸞は、他力念仏門に一転した。さらにその身に誠を具現するため、恩師・慈円を訪ねると玉目姫を妻に迎え入れたいと申し出た。それは事実、凡人に帰って極楽に生まれようとする親鸞の大誓願であった。「仏陀も照覧あれ。私は偽りなく、玉目姫が好きでならなかったのでございます」絶叫する赤裸々な親鸞の魂に、弟子僧たちはただただ心を打たれるばかりだ。晴れて親鸞は玉目姫と結ばれた。腕二つ、皿二つ、全て二つの対からなる生ける営みに二人は真の喜びを知った。親鸞と新妻・玉目が手を携え吉水禅房に向かう輦に快哉の言葉を投げるもの、誅罪を記して金剛杖を握り締めるもの、世の全ての人々の眼が集まり、都大路は異様な興奮で包まれた。その仲でただ「なむあみだぶつ」と念仏、合掌して輦を進める親鸞の姿は、弘誓の海の渡る本願の大船のそれであった。

続親鸞 
(C)東映

シリーズ

「親鸞」シリーズ(2)

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