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緋ぼたん浪人 

Red Peony Ronin

1960(昭和35年)/11/30公開 78分 カラー シネマスコープ 映倫番号:11999 
配給:東映 製作:東映

大奥一の美女と謳われた若後家を巡る餓狼のような番頭ども、身代乗っ取りを計る御側用人と悪徳商人、美人群の桃色旋風に辟易する風流浪人が敢然と立ち上がり、悪人どもの奸策に正義の剣を振う、恋あり剣ありの痛快時代劇。

緋ぼたん浪人 
(C)東映

ストーリー

公儀御用達の廻船問屋・和泉屋の若後家・浪江の部屋近くで、二番番頭の藤兵衛が何者かに背中を短刀で刺され殺された。和泉屋は、巨額の御用金を用立てた代償として大奥一の美女と謳われた浪江を後妻に申受けたその婚礼の夜に急死し、勝手の判らない浪江を中心に一番番頭の紋兵衛をはじめ、二番番頭の藤兵衛、嘉平、清次郎、作兵衛など強欲で色好みな輩がいずれも美しい浪江の容姿に野望を秘めていがみ合っていた。浪江の唯一の味方である女中お君の頼みで兄の目明し辰次が駈けつけるが、紋兵衛から「のれんに瑕がつく。上役もお目こぼしのはず」と素気なく追い返された。辰次は、死んだ和泉屋から受けた恩義に報いるため、頼りにする浪人・水上大六に浪江の窮状を救ってくれと頼み込んだ。この水上大六、元は直参旗本だが、お側用人・堀田出羽守が御用金と引き換えに浪江を和泉屋に嫁入らせる奸策に反対して禄を捨て、今は小唄師匠・お芳の二階に居候し小唄作りで生活をする硬骨の風流浪人である。「相手が金持ちで、美人の若後家ではいかにも物欲し気」に見られては嫌だと一度は断った大六だが、辰次、お君のたっての願いに辰次の家で浪江に会った。「お人形ではいけない。血の通った人間におなりなさい」痛烈な言葉を残した大六の後姿に、感動した浪江の熱い瞳が迫っていた。お芳の家は、名は優しいが暴力芸者の白菊をはじめ、芸者、町娘などが連日押すな押すなの盛況ぶり。このお目当てが大六なんだから、お芳もオチオチしてはいられない。その大六の許に旗本仲間の星山十兵衛が訪ねて来た。大六のモテぶりを羨んで臨時浪人を志して来たのだが、案に相違してモテないので大クサリだ。やがて和泉屋の庭で第二の殺人が起った。二番番頭の嘉平が、藤兵衛と同様に背中を一刺しされ殺された。ついに大六が事件の解決に乗り出したその帰り道、ごろん棒浪人に襲われるものの日当が不足という殺し屋・中条寺と不思議な縁で結ばれた。続いて紋兵衛が、浪江の離れ座敷で殺され、浪江の身辺にも危機が迫った。辰次は、世間体は妹だが、実は娘のお君にお尻を叩かれて犯人探しに躍起である。大六は、お君を使って犯人のおびき出しに成功する。逃げる番頭の清次郎と下男の六兵衛を追いつめた大六らの前を、堀田出羽守と御用商人の堺屋たちがさえぎった。堀田と堺屋が結託して、番頭どもを殺させ、和泉屋の身代を乗っ取ろうとした陰謀も、お君、白菊らの応援と中条寺の証言で暴露される。襲いかかる殺し屋たちも大六手練の一刀に倒された。悪人らに代わって、和泉屋は浪江を中心に、お君、白菊ら女性によって活況を呈している。女たちを見守る大六にそっと耳打ちする浪江、仲睦まじい二人の姿はまるで似合いの夫婦のようだった…。

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