作品検索

作品紹介

夜霧の長脇差 

Dagger of The Misty Night

1961(昭和36年)/3/21公開 82分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:12153 
配給:東映 製作:東映

苛政にあえぐ農民の苦しみと憤りに、命を張って立ち上がった一代の胸骨、国定忠治と板割の浅太郎ら国定一家の行動と、庶民との交情、山形屋との対決などを描く任侠編。

夜霧の長脇差 
(C)東映

ストーリー

赤城の山を下りた忠治は、板割りの麻太郎らと共に、ひとまず赤城の村から去ろうとするが、樫本山形屋藤蔵の赤城乗り込みを知り、再び村にとどまることになる。忠治らは、巧みに身分を変えて山形屋の忠治召捕りの手勢に加わるなど、山形屋の間抜けさをあざ笑うが、当の山形屋は、忠治召捕りを名目に、自分の縄張りを拡げ百姓達をしぼりあげる魂胆だった。忠治は、百姓達の難儀を恐れ、浅太郎を山形屋一家に潜入させてその動きを探らせた。朝太郎は、叔父の勘助をはずかしめた山形屋の鼻をあかそうと、勇躍、浅右衛門と名を変えて、山形屋一家にもぐりこんだ。
一方、赤城の百姓、町人、そして折から村へ巡業に来ていたお吉ら旅役者も、皆忠治に助力を惜しまず、山形屋を憎んでいた。折から山形屋の賭場が開かれるが、忠治は変装してこの賭場に乗り込み、山形屋にサシの勝負を挑んで、百姓衆からまき上げた金を見事に取り返した。時に、貸し元の大立物大前田英五郎が赤城にさしかかる。山形屋は、この大前だにとり入って、赤城一円を自分の縄張りにしようと画策するが、忠治の侠気を知る大前田は、これを見事にはねつけ、忠治も遂に仮面をぬぎすてて、山形屋と正面切って対決するため、再び赤城の山にこもる。大前田と忠治に恥をかかされた山形屋は山にこもった忠治をおびき出そうと、御室の勘助を人質にして、勘助の娘で浅太郎の恋人あるおのぶを忠治の呼び出し役にした。おのぶの話を聞いた忠治は、すべてを承知で単身山を下り、勘助を救い出そうとするが、山形屋の重囲におちいった。このとき、手練の捕縄をくり出し、忠治に迫ったのが勘助だ。勘助は、忠治を捕らえると見せかけ、巧みに逃げ道を教える。お蔭で忠治は、山形屋の重囲を脱したが勘助は山形屋の怒りをかって斬り殺される。さらに山形屋は、罪のない百姓の娘を売りとばし、その身代金を狙うなど、悪事の数々をつくす。浅太郎は、山形屋一家の身分を利用して山形屋の毒牙から百姓衆を次々と救った。
この頃、赤城の山では、忠治が勘助の遺髪を前に、愛刀小松五郎義兼を月光に光らせながら、山形を斬ることを心に誓っていた。やがて、赤城の村では、お吉の一座によって、最後の舞台が開かれる。舞台は山形屋乗り込みの大芝居、演じるは忠治、頑鉄ら国定一家の面々。驚き慌てる山形屋の頭上に、人斬り忠治の愛刀小松五郎がふり下ろされ、そして浅太郎うらみの一刀が鞘走った。

夜霧の長脇差 
(C)東映
ページの先頭へもどる
一般社団法人 日本映画製作者連盟・会員(4社)