1961(昭和36年)/4/9公開 57分 カラー シネマスコープ 映倫番号:12188
配給:東映 製作:東映
松永弾正邸に連れ去られた、左近の恋人白菊の運命は?魂を抜き取られ、人恋山に向かった紅菊らは?そして孔雀城の三つの秘宝はいつ集まるのか?謎をはらみ、夢を呼び、正義の若者と妖術師との手に汗握る決戦はますます佳境へとすすむ。
火打丸以下十三騎は、竜神太郎の妖術によって焼き殺されようとするが、この時火打丸は懐中より孔雀の勾玉をとり出し、これを空にかざせば、一瞬にして?が消え失せた。権太夫は玄九郎、竜神太郎、たたり姫の三人に人恋山を襲い、勾玉と鏡を奪い、火打丸、黒冠者を倒すことを命じた。この頃人恋山では、黒冠者から紅菊が孔雀の鏡を持っていることを知らされ、さらに火打丸も同志の一人であることを聞かされ、共に力を合わすよう心に誓うのだった。しかし、たたりの妖術を受けた紅菊、黒兵衛、又四郎の三人は、その頃左近を殺すため人恋山に向かっていたのだ。途中、又四郎の妹しのぶが三人に出合うが、余りに変わり果てた三人に呆然としたとき、左文字に声をかけられ、左文字の家に行くことを進められた。この頃、白菊は東山の別邸で弾正の意に従おうとしていたが、時に聞こえてきた笛の音に、ようやく本心を取り戻したのだ。その笛の主は勘助だった。又四郎から貰ったその笛の音は、この時、弾正のもとから左文字が盗み出した時雨丸と共に、白菊の心をゆり動かしたのだった。左文字は、時雨丸の音がたたりの術を破ることを知り、勘助を人恋山へ急がせる。しかし悪夢からさめた白菊は、弾正に反抗したため、牢に入れられてしまったのだ。だが、勘助より先に人恋山に着いた紅菊ら、喜び迎える左近に向かっていきなり斬りつけたのだ。しかも空からは、玄九郎が天狗党と共に黒煙をあげて襲いかかったのだ。さらに左近も、たたりの術にかかって、黒冠者に刃を向け大乱斗を天海、黒冠者も遂に苦戦におち入るが、この時勾玉をかざした火打丸がかけつけ危機を脱した。だが、紅菊ら三人と左近は、玄九郎らによって連れ去られ、呪いの島にとじ込められる。玄九郎が去った後、火打丸は、左近と紅菊が兄妹であることを知り、悪を滅ぼすため黒冠者らと協力することを誓い合うのだった。この場に左文字も現われ、時雨丸がたたりの術を破ることを知らせる。左文字はこの時、家に帰って、子分の万太郎としのぶを人恋山に向かわせ、さらに弾正の牢に忍び入って白菊を救い出し、火打丸の部下である美鈴の馬に乗せて逃がすが、途中玄九郎、たたり姫に襲われ再び危機に陥ったのだ。不気味な笑いと共に迫るたたり姫に向かって、この時一条の投縄が飛んだ。しのぶと共に通りかかった万太郎だ。万太郎は一度は玄九郎の妖術にかかるが、風にのった万太郎の叫びに、左文字が現われ、さらに駆けつけた黒冠者、火打丸と共に、勾玉をかざして玄九郎らを追いつめた。しかし、この時権太夫もさきに左近から奪った宝剣をかざして現われ、その輩下の軍勢が一同の周囲をひしひしと取り巻いたのだった。一方、呪いの島にとじ込められた一同も、紅菊の持つ孔雀の鏡の輝きによって本心を取り戻し小舟にのって脱出しようとするが、竜神太郎の妖術によって、狂ったように海が荒れはじめたのだった。