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八荒流騎隊 

Samurai Knights

1961(昭和36年)/5/11公開 90分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:12317 
配給:東映 製作:東映

市川右太衛門の豪快活劇巨編。信州の大高原を背景に、豪族皇名家の三兄弟が織り成す兄弟愛、スリルとスピードに満ちた騎馬戦と大殺陣。野性の娘と都育ちの美女との対照的な恋物語など、西部劇そこのけの面白さと迫力で描破する。

八荒流騎隊 
(C)東映

ストーリー

時は戦国、ところは信州佐久郡星名郷――。
この土地は、豪族星名一族が、代々地を流して守り抜いてきた土地だったが、この地方の和田陣屋代官岩村隼人正は、折あらば星名一族を滅ぼそうと狙っていた。折から、一年の江戸留学を終えた星名の三男小次郎が帰郷する。小次郎は帰郷の道中、隼人正の養女に貰われていく千鶴と浜乃の二人と道ずれになり、千鶴とは互いに好意を感じ合う。星名一族の主である長男の左馬之介と次男の織部は、柔弱な都の風になじんだ小次郎を迎え、一抹の不安を感じるが、その夜は、一族郎党を左馬之介の館に集め、歓迎の酒宴を開いた。華やかな酒宴を後に、唯一人暗い表情で館を抜け出したのは、変わり果てた小次郎の姿を悲しむ一族の娘刀根だった。この酒宴の隙を狙い、代官隼人正は。気脈を通じる武石郷の豪族矢沢勘解由の手下、野武士の雲風一味を使って、次男織部の館を襲撃し穀物を根こそぎ奪い去ったのだ。左馬之介らは、留守居役のお杉が放った鳩文によって夜襲を知り、追跡を開始するが、雲風一味は計画通り矢沢の領地内に逃走する。翌日、左馬之介らは、再び野武士の探索をはじめるが、小次郎は左馬之介らの目を盗んで単身和田陣屋を訪れ千鶴に会う。左馬之介は、刀根から小次郎の行先を知らされ、小次郎を迎えにこれまた和田陣屋に乗込む。左馬之介の心配通り、隼人正は、養女とは表向きのこと、その実は側室である千鶴を利用して、小次郎を星名一族を滅ぼすおとりにしようとしていたのだ。その夜、小次郎は、一度は館に左馬之介の目を逃れ帰るが、翌日、再び野武士探索に向かう左馬之介らの目を盗んで、千鶴と会い、和田陣屋にさそい込まれるのだった。
一方、左馬之介は、矢沢の領内で雲風一味を発見、矢沢の館に一味を追いつめ館の穀倉から奪われた穀物を取りもどして引き上げる。だが、この件も、他領を荒らしたという罪を左馬之介に被せる隼人正の計略だったのだ。さらに隼人正は、千鶴との縁組をエサに小次郎から星名館の絵図面を奪い、人質として牢に入れ、奪った絵図面を手引きとして、星名館に夜襲をかけたのだ。このため、星名一族は多数の犠牲者を出し、左馬之介の妻弥生も深傷をうけ一族は秘密の谷、狼谷におちのびたのだった。隼人正はさらに、左馬之介らをおびき寄せ、一挙に星名一族を滅ぼそうと、人質にした小次郎の処刑を布告する。左馬之介は、一族の掟を破り、館の秘密をもらした小次郎を、一度は裏切者として見殺しにしようとするが、いよいよ処刑が明日に迫ったと聞くや、一族の掟を越え、次男織部らと共に、隼人正のワナを承知で、最後の決戦を挑むべく、死を決して密かに処刑の場へ潜入するのだった。
いよいよ処刑の当日が訪れる。和田陣屋前の広場には、隼人正の配下矢沢一族、雲風一味らが厳重な網を張りめぐらすなかに、旅僧姿に変装した左馬之介、馬子姿の織部ら星名一族が、殺気をはらんで続々と集まり処刑場は不気味な暗雲が渦巻きはじめるのだった。処刑の時が刻一刻とせまる。静まりかえった刑場。「やれいッ」合図と共に処刑がなされ様とした瞬間、沈黙を守っていた星名一族の剣が一勢に閃いた。例え人数は僅かでも闘志に燃える一族の勢いは凄まじい。左馬之介に縄を解かれた小次郎も獅子奮迅の働きをみせる。刑場は血の海と化した。数刻後、赤い夕陽を浴びて三兄弟を中心とした星名一族が尾根に連なり山奥へと歩を進める姿が見られた。

八荒流騎隊 
(C)東映
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