1961(昭和36年)/6/6公開 87分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:12401
配給:東映 製作:東映
陽気な旅がらすトリオが旅の途中、悪貸元の手から救った女性に絡んで、人身売買で私服を肥やす悪貸元たちを相手に胸のすく活躍をする。ジャズの人気リズムあり、歌謡曲ありの明朗時代劇。
とある夜霧の波止場で、三人の旅鴉、千太郎、百太郎、三公は土地の悪貸弥曾吉の子分に襲われているお夏という女を助けた。お夏は居酒屋「浜中」の一枚看板で、二十両のカタに身売りして好色な弥曾吉に言い寄られヤケになっていた。三人の鴉旅は弥曾吉の賭場で壷振りを買収して二十両を巻き上げ、弥曾吉に「お夏さんの身代金だ」と叩きつけた。旅立つ千太郎は、お夏に平打ちのかんざしを与えて別れを告げた。それは千太郎の忘れ得ぬ初恋の人、死んだお美代の形見だった。そして、お夏はお美代に生き写しだったのだ。弥曾吉の追っ手、藤堂一角と千太郎の対決は、生命をかけたお夏の仲裁で他日を期して袂を分けた。旅を続ける三人は、ある浜辺で中宿の代貸源五郎に捕らわれようとしている百姓娘お菊を助けた。百太郎は身寄りのないお菊を叔父のもとへ送り届け、別れを告げるが、お菊は切なく取りすがる。百太郎も同じ気持ちだが、「やくざに女房はいらねえ」と辛い思いでお菊の手を払うのであった。お夏は千太郎の後を追い、今では弥曾吉の仲間の茂平の妾、お滝が商売する飲み屋に身を寄せていた。年に一度の宮島神社の祭礼の日、千太郎ら三人は櫓の上で得意の美声を聞かせる。その千太郎を弥曾吉の子分らがみつけた。おっとり刀で駆けつける弥曾吉らにより祭の雰囲気は一瞬にして凄まじい殺気に変わる。「千太郎は俺が斬る」藤堂一角もやってきた。千太郎の獅子奮迅の戦いが始まる・・・