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港祭りに来た男 

The Harbor Festival

1961(昭和36年)/10/14公開 90分 カラー シネマスコープ 映倫番号:12556 
配給:東映 製作:東映

男が十年間抱き続けた恋心は、陽光きらめく祭りに、火を呼び、血の嵐を呼んで、遂に男を死に追いやる。港祭りに集まった人々の哀歓を背景に、七夕の彦星・織姫の哀恋に似た宿命的な恋を情感豊に描いた時代抒情詩。

港祭りに来た男 
(C)東映

ストーリー

南国のある港町は、七夕まで後数日とあって祭気分に沸いていた。町へは恒例となった曲芸の狐の次郎平一座と、香具師の牛寅一家が今年もやってきた。だが群集の視線は、片眼に鍔をあてがい、独眼で髭面の物凄い大男に集まる。この大男、見回り中の町年寄錨屋総右衛門をいきなり居合い抜きで土下座させてしまった。藩主の側室お夕の方の父として横暴な総右衛門を土下座させたとあって、この男・大力大五郎はたちまち町の人気者となった。宿に向かった大五郎は、一人漁師町の一角にある権爺の家に入り、鴨居に刺してあった「お夕」「彦一」の短冊に見入っていた。定宿「蛸屋」の主人夫婦の優しい世話に体を休めつつ、初日の前夜、大五郎は岩壁にでて夜空を眺めながら、宿の娘お光の七夕にまつわる悲愛の物語に聞き入っていた。昔この町で起きたその物語は、若い漁師彦一と美しい娘お夕は将来を誓い合いながらも、お夕に目をつけた殿様に奪われ、悲しみと絶望で三日三晩泣き明かしたあと、四日目に姿を消したというもの。この織姫と彦星の物語に似た話を聞きながら、大五郎は静かに目を潤ませていた…。

港祭りに来た男 
(C)東映
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