1962(昭和37年)/12/16公開 86分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:13013
配給:東映 製作:東映
二条城の御金蔵から四千両を奪った能登の忍者たちと、冤罪をそそぐために虚無僧姿で江戸へ向う剣士、謎の美女などが、意外な陰謀にあやつられ、剣と血の修羅場を展開する時代活劇篇。
京、二条城の番士・浅香恵之助は尺八の名手だった。ある夜、御金蔵から四千両が奪われ、同僚の三輪が斬殺された。組頭の堀らに犯人と決めつけられた恵之助は、手がかりの印籠を手に、自身で犯人を捕えるべく江戸へと向った。それを追って恵之助を兄の仇と狙う三輪滝太郎、江戸から恵之助を慕って来て、再び江戸へと追う深川芸者・お駒も京を後にした。尺八一管虚無僧姿で東海道を下る恵之助の目は美しい御後室風の謎の女・鏡月院の一行とそれを守る陣場弥十郎らに光った。この行列に四千両が隠されており、陣場ら能登の忍者は永年の雌伏からこの仕事をもってさる大身に抱えられることになっていた。迫手の存在に気付いた陣場は滝太郎を所司代からの追手と思い込み、滝太郎を襲う。だが皮肉にも、恵之助が滝太郎の危機を救った。恵之助は偶然手にした一枚の黄金が盗まれた物で、陣場一味から出た事を知った。一方、再三の襲撃に失敗した陣場は唯一人、九十九折の薩陀峠で恵之助を待ちかまえていた。恵之助には思わぬ災難を呼んだ男・陣場、陣場には不遇の能登忍者が世に出る機を妨む男・恵之助。二人の刃は壮凄にぶつかりあった。一瞬、二人は断崖から転落、姿を消したのだが…。