1963(昭和38年)/8/27公開 94分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:13250
配給:東映 製作:東映
無法を黙って見逃せねえ!持って生れた怪力で義賊を働く男が、たったひとりの娘をたずねて、旅から旅、苦闘につぐ苦闘を重ねる二十年を描いた波瀾万丈の人情活劇。
江戸城に忍び入り捕えられた義賊の雲霧仁左衛門は、同じ牢にいた大吉という男から、因業金貸・夜叉権の娘のおこうが、父なし子を産んだという話を聞かされる。雲霧には二年前、そのおこうを犯した過去があった。自分に子供がいたことを知った雲霧は、一目会いたいと牢番の蔵六を買収して脱獄。だが一足違いでおこうは息を引き取っていた。わが娘のゆきを連れ出し、質屋の佐渡幸に預けて牢に戻った雲霧は、真偽を疑う奉行によって釈放される。佐渡幸の家に向った雲霧だったが、あとを付けた吟味与力の小藤次により佐渡幸が捕われ、雲霧はゆきを抱いて逃げ去った。それから2年。薬売りに身をやつし、ゆきとともに過ごしていた雲霧だが、とある峠道で雲霧を追って来た小藤次と争ううちにゆきが谷底に転落してしまう。奇跡的に助かったゆきは、偶然居合わせた佐渡幸夫婦に拾われた。それから9年。ゆきを探して放浪を続ける雲霧は、目を傷めて療養中の古河宿で辻占いの娘と知り合うが、この娘こそゆきだった。お互いに気付かぬまま分かれた二人。だが、その娘がゆきであることを知った雲霧があわてて後を追うのだが…。