1963(昭和38年)/12/7公開 125分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:13392
配給:東映 製作:東映
数ある東映時代劇、さらには日本の映画史にも残る傑作の一つ。幕府の密命をおびた十三人の刺客が、明石五十五万石の藩主を狙って六十日間、血のにじむ辛苦の末、木曽山中の宿場で凄まじい殺戮戦を展開する過程をそれまでの時代劇では試みられなかったサスペンス手法を取り入れたリアリズムタッチで描き出す。工藤栄一監督演出のもと、豪華スター陣が素晴らしい名演を披露。
弘化元年。時の将軍は十二代家慶。その異母弟にあたるのが、明石五十五万石藩主・松平斉韶であった。斉韶は将軍の弟であり、明年には老中になる身であるにもかかわらず、性格は異常残忍にして好色。そのため、参勤交代の行列も東海道を通れず、中仙道を利用せざるを得なかった。しかし、昨年、尾張領木曽上松において、陣屋詰の牧野靭負の一子、妥女の妻・千世に手を出し、妥女、千世の夫妻が自害する事件が起こった。事態を憂慮した老中・大炊頭は、公儀目付・島田新左衛門を呼んで牧野靭負と会わせると「老中の自分には出来なくても、新左個人にはできる事がある筈」と謎をかけた。新左はその日から暗殺計画に没頭しはじめる…。