1964(昭和39年)/4/5公開 100分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:13516
配給:東映 製作:東映
御荷物御車を旗印に、乗ったお客を荷物扱いする江戸っ子気質の車屋・辰五郎と浪花芸者・喜美奴の炎のような恋を軸に、東京やくざと大阪やくざの意気地と意気地の張り合いを才匠・加藤泰監督がテンポよく描いた痛快傑作篇。
短気で、純情で、江戸っ子やくざ車屋・辰五郎が官員をぶん殴って大阪へと流れてきた。御荷物御車の旗も勇ましく、先進のゴム輪人力車が評判を呼び車辰の名声は高まったが、大阪北の大親分・西川一家の息のかかった車夫たちの反感を買ってしまう。そんな折、西川親分が贔屓にする喜美奴が、辰五郎に車ごと川に放り込まれてしまう。親分の前に引き出された辰五郎は、詫びもせずに喜美奴に結婚を申し込んだから大変だ。ところが辰五郎の心意気に西川親分は惚れて仲人を買って出る始末と相成った。男・辰五郎、義理と恋の板挟み。悩む辰五郎、この場は素直に西川親分の心を受けて結婚式を挙げようとしたが、急に西川親分の逮捕騒ぎが持ち上がって、それも中止の憂き目となった。密告したのは無頼の徒を集めて矢島一家を興し、暴力で喰い込んできた竜雲である。辰五郎は必死に西川一家を守って意地と義理を通すが、晴れて出所した西川親分の暗殺を計った竜雲の凶弾が弟分・銀二郎の命を散らしてしまう。抑えに抑えていた辰五郎の義侠熱血の魂が炎の如く燃え上がった。