1989(平成元年)/11/11公開 99分 カラー ビスタ 映倫番号:113095
配給:東映クラシックフィルム 製作:ユピテル・コミュニケーションズ・インターナショナル
女子大生作家・椎名桜子のデビュー作である同名小説を映画化。椎名自身が脚本・監督も担当して話題を呼んだ。
次々と愛人を作る父親とその度に家族に加わる愛人たち。多感な女子高生の目を通して、不可思議な家族の在りようを描く。
「センチメンタルな気分で過去を反芻しなくなったのは、いつのことだろうか」…
翠子は私立の高校に通う17歳の少女である。会社を経営し世界中を飛び回るパパの家を出て、妹の雛子と二人でマのマンションに住む。パパとママは、数年前に離婚した。今のマンションに来る前、翠子は何人かのパパの恋人と会っている。名前も顔も明確でない彼女たち。翠子はそんな彼女達が好きだった。「ぼんやりと霞のかかったような総ての記憶」それでも稀に、親子4人で過ごした生活の記憶が心の片隅に浮かびあがってくることがある。そんなときは気分を制御してセンチメンタルな状態を避けるようにする。翠子は気分ってやつが嫌いだった。