2011(平成23年)/7/2公開 103分 カラー ビスタ 映倫番号:118888 G
配給:東映 製作:「小川の辺」製作委員会
ここ数年の間、多くの藤沢周平作品が映画化され、人々に受け入れられてきました。しかし今また、それを世に送り出す意味は、さらに増してきているのではないでしょうか。どこか国としての形を失い、出口の見えなくなったこの日本で、時代の閉塞感のようなものに苛まれている私たちにとっての「羅針盤」、それが藤沢周平作品です。そこには、ひとを想いやり、凛と背筋を伸ばし、人間としての矜持を決して失わずに、その人生にまっすぐ対峙していく人間たち、今、私たちがどこかに忘れてきてしまった日本人本来の姿があります。藤沢周平作品群の中で、ひときわ名作との声が高く、その映画化が切望されていたのが「小川の辺」。なぜならばそこに、義と情の狭間で揺れ動きながらも、その運命に静かに、そしてしなやかに立ち向かう主人公たちの姿が真摯に描かれているからに他なりません。
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海坂藩士・戌井朔之助、その妹・田鶴、戌井家に仕える若党・新蔵。ひとつ屋根の下で兄弟のように育った三人。過酷な運命は、彼らを海坂から遥か遠い、下総の小川の辺へと導きます。無垢だった絆が切り裂かれようとする時、三人が選んだ道とは……。義と情と狭間で揺れ動きながらも、最後まで、人としての道をひたむきに突き進もうとする人間たちの『想い』の物語が、今、ここに誕生します。